2008年日印文化交流
ミティラー美術館、および NPO法人日印交流を盛り上げる会は
日印の文化交流に関して様々な活動を展開しています。
【 ↓2002年/バウル&エスラージ音楽舞踊公演の記録↓】
日印修好50周年記念特別企画
バウル&エスラージ音楽公演

成14年6月〜7月

平成14年度文化庁支援事業として北は礼文から、南は与那国まで日本列島を縦断する、バウル&エスラージの全国公演ツアーが行われました!公演の最後には、日印国交樹立50周年記念事業の公式催事の中でも最も重要なフェスティバルとして位置づけられている、上野公園インド・メラーに参加しました。

***沖縄公演に参加した半田さんからのメッセージ***
6月30日
 2002年6月30日、名護からフェリーで1時間半の伊平屋(いへや)島の伊平屋村離島センターを会場に、エスラージとバウルの公演が行われた。ワールドカップの決勝戦と重なったにもかかわらず、会場には約**人の島の人が集まり、島では普段聞くことのできないインドの音楽を楽しみ、終わり頃には、インドのメンバーと踊り出す人もいて、楽しく心通う交流の一時を過ごした。
 南北14キロメートル、東西3キロメートルの細長い島は、古くから海上交通の要所として知られ、琉球王朝時代には、外国船を見張る烽火台もあった。澄んだ海に囲まれた白砂の海岸や、200メートル級の山岳地帯には原生林が広がり、豊かに残された自然と、約1400人の島民の素朴な人柄は、沖縄本島の人々が「最も行きたい島」と評価する。

***引率スタッフ池田さんからのメッセージ***
6月25日
北海道の礼文から、いっきに沖縄・那覇市で一泊して、与那国に到着しました。まだ台湾が見られるという丘には行っていませんが、先ほど教育委員会の方が、蛇味線を弾きながら歌を歌ってくれました。孤島で生きた人の歌う歌は、魂があって、母国を離れて旅をしているインドの音楽家たちは大感激。特に歌の名手、バウルのマドゥさんは涙を流していました。与那国の歌い手を、上野公園インド・メラーに呼ぶ計画が検討され始めました。実現すると良いですね。


エスラージ
 インド音楽の起源は神話の世界にまで遡ることができると言えます。神々は楽器を持ち、歌、踊りを日常に楽しむ、それはあたかも音楽好きなインド人の今日の生活の写しともなっているようです。
 声楽を重んじるインド音楽の伝統の中で、楽器は声を支える役目をもって発展し、その中でも声に近い弦楽器が著しく発達しました。楽器で声を模倣するようになり、更に楽器でなければできないような名人芸へと発展しました。しかし、声を越えてはならないという哲学も片方であり、声という自然を器楽=技術は越えてはならないという現代に通じる理念も持っています。
 エスラージは東インドの感情表現豊かな弓奏楽器で、特にベンガル地方で使われている。日本ではほとんど紹介されてこなかったものですが、2001年9月エスラージ奏者スニル・カビラージさんとタブラー奏者ディリップ・ムカジさんをお迎えし日本では初めて本格的に紹介し高く評価されました。この度、ぜひもう一度聴きたいという多くの人の要望に応えて来日公演が実現いたしました。

エスラージ(esraj)
東インドの弓奏楽器。主に古典声楽の伴奏用ですが、現代では独奏にも用いられます。歌に一番近い楽器。演奏者は胡座をかき、楽器の上部を左肩に立てかけて右手に持った弓で弾きます。胴の部分は山羊の皮張りになっていて、非常に響くようになっています。ベンガル地方で使われていて、修行僧とか吟遊詩人が使っていた弓の楽器に、シタールのネックを取り付けたといわれています。

タブラー(tabla)
インドの太鼓。演奏時は右手で高温の「タブラー」、左手で低音の太鼓「バーヤーン」という風に、”対”で使われるのが特徴。手のひらや指を駆使することで変化に富んだ音色が出せます。両面太鼓をふたつに分けて、非常に叩きやすくしたもので、微妙な音を出すことができます。

バウル
 バウルはベンガル地方の民衆の間で伝承されてきたイスラム教や仏教、ヒンドゥー教の影響を受けた独特の信仰をもち、それを歌や踊りで表現します。村々で歌や踊りを披露する大道芸人。バウルの音楽や詩は、詩聖タゴールによって紹介され世界的に大きな評価を得ています。
バウルによれば、自らの身体が神の宿る小宇宙であり、宗教の違いを越えて人は皆同等で、自由。偶像崇拝や寺院の礼拝は行わず、自らの歌と踊りで神への信仰を表現します。
昨年9月インド文化庁(ICCR)より、マドゥスダン・サマンタMadhusudan Samantaさんをリーダーとして4名で編成された音楽グループが、今年の日印修好50周年のプレイベントとして行われるナマステ・インディアのために派遣されました。
 サマンタさんは西ベンガル州で生まれ、若くしてバウル音楽で頭角をあらわしました。彼は初め父親から音楽の手ほどきを受け、後にバウル音楽の著名なミュージシャンに師事。インド国内各地での公演の他、バングラディッシュでも公演し、高い評価と得ています。日本での公演の他、韓国、シンガポール等アジア各国に招待されています。
 足首に鈴をつけ、CUGCUGIと呼ばれるパーカッションを弾きながら歌い踊ります。他のメンバーは両面太鼓Khol、竹笛Bashi、2弦の弦楽器ドゥータラDotara(ギターに似た楽器)を演奏。
情熱的な彼等の音楽は、聴く人も引き込まれて一緒に手拍子や踊りたくなる楽しさがあります。


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