高田淑朗 沖テクノコラージュ常務取締役
「成功事例・沖電気」



ご紹介に預かりました高田です。14年前から組み込みソフトウェアという領域でインドの会社にいろいろソフト開発をお願いしています。あまり口でご説明するよりもどのような製品を開発してきたのかということをスライドでお見せしたいと思います。
ここでは16ビットマイコン用の基本ソフトウェアとか通信ソフトウェアというように書いてありますが、今日では32ビットのマイコンのソフトウェアの開発がむしろ主力になってきているかと思います。

結果は非常に良いものでありまして、多分世界で最高の品質、性能をあげることができたのではないかと思います。次のページに実際に関係している製品をご紹介いたしますけれども、そういう高い性能を実現できたことによって、国内のいろいろな会社に採用していただくことができまして、インドで開発したソフトウェアがいろいろと役にたったということも次のページにご紹介いたします。

品質につきましても非常に高いものがございました。結論的なことだけを最初に申し上げますけれども、大きな問題はほぼまったく出なかったといっていいかと思います。小さな失敗はいろいろございました。本当はそういうお話の方が今後インドの会社とソフトウェアの開発をしていく場合には有効なお話なのかもしれませんが、それは後でコーヒーでも飲みながらいろいろお話をさせていただくことにいたしまして、今日はあまり時間がございませんので、簡単に、こういうことができるんだよということをご紹介したいと思います。

ここではいろいろな会社の、会社名も見えるものもございます。一番左のものがボイスレコーダー、次がセルラーフォン、それからMDプレーヤー、プリンター、エアーコンデショナー、MP3プレーヤーなどです。次のページをお願いします。これはオーディオの機器とかCDラジカセだとか、そういうものを中心にここではご紹介しています。いろいろな会社がインドで開発したソフトウェアを利用しましてこれらの製品を開発しているということです。この中のいくつかはここに今日おられる方々もお持ちだったり、あるいは使っておられたりするものではないかと思いますけれども、すでに数年、7、8年位前からインドで開発したソフトウェアを利用して、こうした主に日本の民生品が開発されて、広く世に出されていってきているわけです。次をお願いします。

インドのソフト開発力についてですが、技術者の意識といいますかね、非常にやはり技術水準は高いんですけれども、技術者としてのプライドといいますか、前向きで、より技術的な思考が強い。ここでは中国人の方との比較をちょっと書いてありますが、私はインドだけではなくて、アイルランドとかスウェーデンとかアメリカ、カナダ、韓国、タイ、中国、いろいろな所とそれぞれ特徴を持った会社とソフトウェアの開発を一緒にさせていただいていますけれど、特にインドの方は技術志向が強いかなーという印象を持っております。

また同時に、それだけ技術水準も高いというふうに感じております。知識、方法については、日本の教育はいろいろ考えていただきたいと思うんですけども、インドの技術者は、非常に実際的な知識を身につけている、それから開発研究の方法もまた身につけていると感じております。大学出のインドの新卒の技術者が、日本では2、3年の経験とほぼ同等の水準を持っていることは驚かされるところです。年齢的にも日本の人たちよりもかなり若い人達が、かなりいい仕事をしているというのを目の当たりにしますと、これから日本はもう一歩奮起しないといけないんじゃないかと、いう気になるところです。
仕事を一所懸命やっていただいております。(写真を見せながら)後で今写真がちょっと出ましたけれども、設計組織、それから環境などは日本のソフト開発の環境よりはかなりいい環境がインドでは整っているのではないかと思います。インド社会全体を見ますと、それは日本に比べればまだまだという面も多いかと思いますけども、こと、ソフトウェアの開発という面に関しては、かなりインドは高い水準にあると思います。

次の写真、お願いします。
これは私共が主要にお付き合いしているAcme Technologyというインドのソフトウェアの会社ですが、そのオフィスの写真ですけれどもかなりきれいなオフィスで、この窓から見た外の景色が後で出てきます。これは日本に来ていただいて今現在も一緒に仕事をしている写真ですけれども、日本人の、右にいるのが日本の技術者なんですが、日本の技術者と一緒に仕事をしているところです。これは、実はソフトウェアの開発ではなくてハードウェアの開発を一緒にやっているところです。ハードウェアに関してはインドの方はまだこれからという面もありますけれども、技術力という点では非常に高いものがすでに備わっていると思います。開発を協同でやるという上では、充分申し分ない、ただインフラがまだ不十分でして、実際に設計したものを試作をするとか、あるいは量産をするとかというレベルではまだまだこれからというふうに思います。
私は今年からハードの開発もインドの技術者の方と一緒にやることを始めました。これは先程のオフィスから見た景色でして、左の方に木が繁っているのが見えるかと思いますが、4年位前までは先程のオフィスのあったところも含めて全体がこういう環境のところでした。これはつい先頃撮った写真ですので、ちょうど雨季が終わったばかりで、一番緑も多い時期ですから、少し緑もありますが、乾期になりますとほぼ砂漠のようなところです。そこにこういうホテルであるとか、これは映画館が中に5つ位入っているんですけれども、そういう建物ができて、これは多分9月か10月にオープンしたばかり。ホテルはこれからオープンかもしれませんが、そういうものがインドの中にも、どんどんできつつあるというところです。14、15年前に比べれば隔世の感がある。牛の数が激減しているのが悲しいところですけれども、それだけインドの発展に伴うやむをえないところかなーという気もするところです。

いいお話ばかりをお話しましたが、インドの技術者は基本的には英語が全て通じます。それから非常に日本人の英語を理解しようという態度で接してくれておりますので、私も英語が決して上手い方ではありませんが、充分日本人の技術者とのコミュニケーションをとることができます。これからインドのソフト会社を活用して日本のハードウェアと組み合わせていいものを世の中に出していくということを是非皆さんにもお勧めしますし、私もその力添えができれば幸いだと思っております。どうもありがとうございました。


司会:高田様、どうもありがとうございました。実践に即してお話していただきまして、今お話にでてきましたけれども、やはりインド全体、丸ごと見ちゃうとなかなか難しい問題があろうかと思いますけれども、ポイントを絞ったフォーカスした形でインドを見ていくという取り組みも必要かなと思います。それでは現場にいらっしゃるもうお一方のお話を伺わせていただきたいと思います。日立製作所システムソルーショングループでアライアンス部インドプロジェクト推進室の室長をなさっていらっしゃいます原田千秋さんからお話を伺いたいと思います。お願いします。








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