新聞記事で見るインド・メラー



毎日新聞 2002/07/21
雑記帳

 20日から東京・上野公園で始まった日印国交50周年記念事業「インド・メラー(祭り)」の開会式に、昨年インド政府から上野動物園に贈られたゾウ「スーリヤ」(メス、8歳)が登場した。
 スーリヤは来賓の福田康夫官房長官やセット駐日インド大使から鼻でニンジンを受け取り、食べた。
 インドからは49年、最初のゾウ「インディラ」が贈られ、人気者になった。福田長官は「インディラが来たのは私が小学6年の時で、忘れられない思い出」と童心に帰った様子。
(西尾英之)




読売新聞2002/07/19
日印国交50年祝う
あすから台東で 象スーリヤも参加


 日印国交樹立50周年を記念するイベント「インド・メラー」が20、21の両日、台東区の上野公園で開かれる。公園内に特設ステージが設けられ、インドの伝統芸能や絵画制作の実演などが披露される。インドと交流を続ける日本の文化人らが主催し、都や在日インド大使館などが後援する。20日午前10時から上野動物園内で行われる開会式には、昨年4月にインドから贈られた象のスーリヤも参加。戦争で焼け野原になった東京の子供たちを元気付けようと、1949年にインドから上野動物園へ象のインディラが贈られたことにちなみ、日印の子供たちがスーリヤと記念撮影などをする予定だ。




産経新聞2002/07/19
ありがとうインディラ
戦後の混乱期、日本の子供に夢・・・上野でイベント


 戦後、インド政府から上野動物園へ贈られたゾウ「インディラ」にちなむ2つのイベントが20、21の両日、上野の森で開かれる。今年は日本とインドの国交樹立50周年。地元の子供たちが53年前、「本物のゾウを見たい」と声を上げて始まった親善の歴史は、今も語り歌い継がれている。
 20,21の両日、上野公園でインドの民俗芸能の祭りを開くのは、新潟県十日町市でインド絵画の美術館を運営する長谷川時夫さん(53)らによる「50周年記念事業を盛り上げる会」。浅草出身の長谷川さんは「下町の人たちはいまだに『ネール首相がゾウをくれたよね』と話している。大変だったとき助けてくれた国に、感謝の気持ちを伝えたい」と話す。一方、台東区内でピアノ・合唱教室を営む柴田晃子さん(46)ら約200人でつくる「台東ぞうれっしゃ・ぞうさん来い合唱団」も21日夕、JR上野駅と動物園を結ぶ「パンダ橋」で合唱コンサートを開く。子供たちの運動やインディラをテーマにした合唱組曲を歌うという。
 当時、地元の子供として運動に加わった同区立平成小の非常勤教員、金子圭子さん(65)は「私たちが呼んだゾウを語り継ぐことができてうれしい」と話している。
(徳光一輝)
■インディラ
戦時中、「脱走のおそれがあり危険」として飼育されていた動物が次々に処分されてしまった上野動物園に、終戦後、地元の子供たちが「ゾウがほしい」と声をあげた。昭和24年には、日本で唯一、ゾウがのこっていた名古屋市東山動物園へ子供たちを運ぶ「ゾウ列車」が運行され、さらにゾウを見たことがない子供たちが描いた鼻の短いゾウの絵などを見たインドのネール首相が寄贈を決意、同年10月、上野動物園に到着した。ゾウはネール首相の娘の名前にちなんでインディラと名付けられ、58年に死ぬまで子供たちにしたしまれた。




週刊仏教タイムス2002/07/18
上野公園で日印50周年イベント ―20・21両日

 日本とインドの国交樹立50周年を記念し20・21の両日、東京・上野公園で「上野公園・インド・メラー(祭)」を外務省後援のもと、インド大使館、日印協会などが協力して開かれる。
 敗戦後の1949年9月、「上野に象を」という台東区子供議会の要望に応えてインドのネルー首相が娘と同じ名前の象インディラを贈った。さらに昨年、フェルナンデス国防大臣が子象スーリヤを寄贈するなど上野動物園とは縁が深い。
 20日午前10時から上野公園内・五重塔前広場で開会式を挙行。インドの伝統楽器であるエスラージによるインド音楽の演奏や沖縄音楽、両国相撲甚句会、日印合同セッションなどが行われる。翌21日も   前日同様、午前から記念行事が続く。
 前日の19日夕には不忍池・水上音楽堂で前夜祭が行われる。問い合わせ先は「日印国交樹立50周年記念事業を盛り上げる会」事務局電話0257-52-2396まで




中外日報2002/08/06
上野公園でインド祭 日印国交樹立50周年祝い

 「日印国交樹立50周年記念事業を盛り上げる会」(長谷川時夫代表)主催の「上野公園インド・メラー(祭)」が7月20・21日の両日、東京・上野の上野公園で開催された。オープニングセレモニーは上野動物園内五重塔前広場で行われたが、この会場の選択は1949年、インドのネルー首相が上野動物園へ日本の子供たちのために象のインディラを贈ったことにちなんで。同会代表でミティラー美術館(新潟県)館長の長谷川氏は、挨拶でネルー首相のこのエピソードを紹介し、「下町の一杯飲み屋でインド関連の美術館をやっていると言うと上野にネルーさんが象をくれた話しが必ず出る。北海道で話しても皆が覚えている。50周年を祝うのはこの場所しかない」と語った。
 インド大使のアフターブ・セット氏はネルー首相が象を贈った際の「私の願いはインドの子供たちや日本の子供たちが成長した時には、それぞれの自分たちの立派な祖国の為ばかりにではなく、アジアと世界全体の平和と協力のために尽くしてほしいということです」との日本の子供たちへのメッセージを紹介した。
子ライオンを公開
 上野動物園の管谷博園長は「インドライオンを導入したが、この5月に赤ちゃんが生まれ、式典にあわせ、三頭の子ライオンが本日から公開されている」旨、告知した。
象のスーリヤが登場 子どもたちと「触れ合い」
 最後に飼育係を乗せて、名前入りの背飾りを着けた象のスーリヤが登場。この象はインドのフェルナンデス国防相が昨年寄贈したもので、上野動物園へインドから寄贈された象は4頭となる。来賓の福田康夫官房長官は挨拶の中でこの象の名が「インドで日本が日出ずる国として尊敬されていることから太陽を意味するスーリヤと名付けられたことを国防相から直接聞いた」と紹介。
 地元からは来年春に統廃合となる台東区立済美小学校の児童が参加。スーリヤを取り囲み、好物のニンジンやリンゴをあげたり、記念写真を撮ったりと普段、間近で見ることがない象の姿にふれた子どもたちは「びっくりした。まつげが長かった」「インドに行きたい」などと印象を語っていた。
 引き続き、はと広場で20・21の両日、ベンガル地方の弓奏弦楽器エスラージと吟遊詩人バウルの演奏、沖縄・与那国島、アイヌの音楽などさまざまな催しが行われた。




週刊仏教タイムス2002/07/25
日印国交樹立50周年祭典 東京・上野公園
駐日大使や福田長官出席 日印友好の象徴である子象スーリヤも会場に

日印国交樹立50周年を盛り上げる会(長谷川時夫代表)は、インド大使館、外務省、(財)日印協会、東京都、台東区の後援で日印国交樹立50周年記念「インド・メラー」を東京都台東区の上野公園において開催。20・21日の2日間の日程で行われた祭典では日本・インドの伝統芸能をはじめ、各種アトラクションが催され、会場は大勢の来場者で賑わいを見せていた。
 30度を超える真夏日の中、初日に上野動物園内で行われた開会式では、福田康夫官房長官をはじめ、アフターブ・セット駐日インド大使、菅谷博上野動物園園長らの両国関係者のほか、日・印の子どもたち約100人が参加。予定よりも少し早く会場に入った福田氏とセット大使らが、木陰の中で歓談し、友好の固い握手を交わす姿も見られた。
開会式ではまず、長谷川氏が、「今日は本来は子どもたちのための日」と挨拶し、ネルー首相が子どもたちに象のインディラを贈ったいきさつを交えながら日印友好の歴史を紹介。「平和を愛する子どもたちに象を贈りたい」と語ったネルー首相に共感したフェルナンデス国防相から昨年4月に子象のスーリヤが寄贈された事にも言及して、「昔も今も日・印間の友好の架け橋となっているのは子どもたちだ」と語った。
 続く挨拶で福田長官は、フェルナンデス国防相から直接聞いた話として「インドでは日本が『日出る国』として親しみと敬意を集めている」「『日出る国』に因み、友情をこめてスーリヤ(太陽)と名づけられた」とスーリヤの名前の由来を披露。「少し距離は離れているが、日印両国が手を携えて世界平和のために協力することが進むべき道」と今後の変わらぬ友好関係を強調した。
 セット大使は、「インドと日本が長い間喜びを分かち合った場所で、記念のイベントが開かれることを喜ばしく思う」と挨拶。自身が来日した際に、敗戦直後にインドから受けた援助や友情について日本人が忘れずに語り継いでくれたことを感謝し、「昔からの親交を頼りに、これからも友好を深めたい」と締めくくった。
 最後には、話題の中心ともなった小象のスーリヤが日・印の関係者の先導で入場。福田氏、セット氏、長谷川氏が直接果物を与える姿が見られた他、子どもたちが間近にみるスーリヤの姿に喚声を上げていた。
 開会式後には上野公園のはと広場に会場を移し、インドのエスラージやジャハナイといった楽器演奏のステージが行われたほか、日本からも沖縄音楽や相撲甚句といった伝統芸能が披露され、日印合同のセッションも行われるなど趣向を凝らしたイベントが展開。来場者の注目を集めていたほか、会場では象のインディラが日本に来た際のパネル展示や、インドの伝統的なミティラー画とワルリー画の公開制作などもおこなわれ、興味深げに覗き込む人の姿も確認できた。




THE JAPAN TIMES
Elephant trumpets 50 years of Japan-India ties

 An Indian cultural festival opened Saturday at Tokyo's Ueno Zoo to mark the 50th anniversary of diplomatic ties between Japan and India, with an elephant presented by India making a public appearance.
 In an address at the opening ceremony of the two-day Indian celebration, called Mela, Chief Cabinet Secretary Yasuo Fukuda described the two nations as having along history of mutual support, especially during Japan's postwar reconstruction.
 Speaking about the decision of the late Indian Prime Minister Jawaharlal Nehru to send Japan the elephant Indira, named after his daughter, in September 1949, Fukuda recalled how the animal provided hope to Japan at the time.
 "This is something we should never forget," he said, adding that he hopes Japan and India will continue to deepen ties and work together for peace.
 Indira is remembered nostalgically by many Japanese, particularly those who grew up in the ruins of downtown Tokyo, as an animal that cheered up a physically devastated and morally despirited postwar Japan.
 Tokio Hasegawa, head of the festival's organizing committee and director of the Mithila Museum in Niigata Prefecture, welcomed the event-- an offshoot fo initiatives by private groups to further relations between the two nations.
 Indian Ambassador to Japan Aftab Seth noted the significance of holding the festival at the zoo, which marked its 120th anniversary in March this year and which was Indira's home until the elephant passed away in 1983.
 It is now home to the fourth and latest elephant, 7-year old female Surya, as well as another two elephants also given to Japan by India.
 Surya, presented by Indian Defense Minister George Fernandes in April last year, made a brief appearance at the opening ceremony, much to the delight of several Japanese and Indian children waving miniature flags. About 130 people attended the opening ceremony, according to organizers.
 The festival -- which also includes arts exhibits and dance and music performances -- is the main event of variety of grassroots pfojects marking the anniversary.
 According to Hiroko Nagahama, stationed at the stall introducing the Japan - India Student Conference, grassroot exchanges are vital to Japan - India ties.
 "It is good to have cross cultural experiences, but ultimately I believe that it is most important to focus on finding shared commonality," said Nagahama, founder of the conference and a Tokyo high school lecturer in Japanese calligraphy art.
 Mira Mehta, an Indian cuisine resercher and vice president of Indian Culture Circle, echoed hopes that events of this kind can showcase the "good parts of India" and increase the Japanese public's knowledge of the country.


copyright(C) 2001/2010 Mithila Museum & NPO Society to Promote India-Japan Caltural Relations. All rights reserved.